ふとした瞬間に人を惹きつける香りのまとい方、秋を彩るフレグランスのススメ
2018.09.09
- Scentpedia編集部
ブルーベル ジャパン独自の資格 パルファム ソムリエール。夏も終盤に差し掛かり、センシュアルな香りがぐっと引き立つ季節に移ろう頃。今回は、高島屋新宿店のラトリエ デ パルファムに勤める栄口 亜紀子さんに、トレンドを先読みすべく、涼しい季節にぴったりな香り選びや秋のおすすめフレグランスについて話を聞くことが出来た。
-栄口さんのパルファム ソムリエール歴と、勤務店舗を教えてください。
栄口 亜紀子さん(以下、栄口):現在4年目になります。渋谷の東急東横店から異動し、現在は高島屋新宿店1階のラトリエ デ パルファムに勤務しています。ファッションフレグランスをメインに取り扱っています。
-高島屋新宿店には、どのようなお客様が香水を見に来店されることが多いですか。
栄口:元々は30代~40代の方が多かったのですが、ここ2年くらいで新宿NEWomanやバスタ新宿ができて、さらにSNSの影響もあり、20代の方が大幅に増えました。地方の方やインバウンドも増えましたし、家族全員でお父様のフレグランスを選びにいらしたりと、お客様の幅が広まりました。
-昔に比べて雑誌でもフレグランスの特集が多く組まれるようになっているように感じますが、雑誌の影響というのはいかがでしょうか。
栄口:雑誌についていたサンプルを試してみたら気に入って、と来店される方もいます。ただやはり情報が早いSNSの影響が大きいですね。私達が知らないような海外のブランドのものでも探しに来店されたりと、情報に敏感な方もいらっしゃいます。
-栄口さんが接客において意識しているところや、工夫しているところを教えてください。
栄口:ブランドや香りの背景・ストーリーを伝えて、香り選びを楽しんで頂きながら、フレグランスの付加価値を高められるようなお話をすることですね。専門用語はどうしても日常生活で触れられないようなものばかりなので、わかりやすい言葉で噛み砕いて伝えるようにしています。
-顧客の方に人気な香水や香調に特徴があれば教えてください。
栄口:「ブルガリ ローズ ゴルデア オードパルファム」や「グッチ ブルーム オードパルファム」がとても人気が高いです。ブルガリは以前のコレクションよりも少し価格が高いにも関わらず、若い世代の方にも人気が高いエレガントなローズの香りです。あとは同世代の中でも一歩差がつくような香りを求められている方には、「グッチ ブルーム オードパルファム」が注目されていますね。どちらも発売当初からずっと人気の香りです。
-メンズではどの様な香りが人気でしょうか。
栄口:「モンブラン レジェンド スピリット オードトワレ」と、「ブルガリ マン エクストレーム オードトワレ」ですね。どちらもトップノートのシトラスとラストノートのウッディのバランスがとても良いフレグランスなのですが、「モンブラン レジェンド スピリット オードトワレ」はミドルノート以降がとても柔らかく、ほのかに甘く香るので、女性から人気のメンズフレグランスで、ギフトにも選ばれることが多いです。「ブルガリ マン エクストレーム オードトワレ」は少し対照的でキリッとしていて、フレッシュな印象を与えます。
-少し涼しくなった秋の気候にぴったりな香りを教えてください。
栄口:ガーデニアやチュベローズなどのホワイトフローラルの芳醇な香りがとても引き立つ季節だと思います。また秋をイメージさせる金木犀を思い浮かべる方が多いのですが、金木犀の香りを使っているフレグランスってそう多くないんです。その香りのイメージに近く、南国のエキゾチックな側面もあり、ちょっぴり夏の余韻を漂わせるホワイトフローラルの香りは、夏から秋に移ろう季節にぴったりです。
-これからの季節には、アンバーやムスク・レザーといったセンシュアルで重みのある香りは取り入れやすい反面、欧米に比べて日本では好き嫌いが分かれるのでしょうか。
栄口:アンバーやムスク、レザーは、独特で強いというイメージがまだまだあって、お客様も最初の時点で避けたいとリクエストされることはあります。ですが、お客様の話を聞いていると、実はそのような香りのイメージを求めているのに、先入観から避けてしまっていることもあります。アンバーやムスク、レザーにしても、色々な香料との組み合わせがあるので、先入観を無くすことで、もっと色んな香調が楽しめるようになると思います。
-アンバーやムスク、レザーなどの香りをまとうことで、どのように演出できますか。
栄口:ジャケットの内側に忍ばせると、ふとした瞬間に人を惹きつけて、もっと知りたいなと思える様な個性的な魅力を感じることがあると思います。センシュアルなムードを漂わせて、一目おかれるような存在感があります。知人が使っている香りが魅力的で、とおっしゃって来店される方って、意外とフローラルの柔らかな香りではなくて、アンバーやムスクなどの香料を使ったフレグランスであることが案外多いんです。やはりそれだけ魅惑的で、強く印象に残る特別な香りだと感じます。
-この秋取り入れたいおすすめのフレグランスを教えてください。
ミュウミュウ フルール ジャルダン オードパルファム アブソリュ(写真左)
ミュウミュウから9月19日に発売の限定フレグランスで、これまでは3作とも、スズランの香りを用いてきたのですが、今作では新たにチュベローズを使ったフレグランスです。ミュウミュウの香りに欠かせないアキガラウッドとムスクアコードのベースノートはそのままに、これまでのピュアでキュートなイメージから一新して、上品でセンシュアルに香ります。
グッチ ブルーム ネッターレ ディ フィオーリ オードパルファム(写真右)
「グッチ ブルーム」の最終章として8月15日に発売した新たな香りです。1作目のジャスミンやチュベローズ・ラングーンクリーパーはそのままに、秋の要素を感じさせる金木犀の香りを加えて、満開に咲き誇るお花のような華やかさがあります。これまでの香りよりも妖艶に、夜の庭園を彷彿とさせる神秘的な香りです。
ブルガリ マン ウッド エッセンス オードパルファム
まだ今年は暑さも残りそうなのでトップノートのシトラスの爽やかさは欠かせないですね。自然や木の力強さを感じる様なウッディなノートに、時間が経つにつれて木の根のように香りをつなぎ止めてしっかりと余韻を残します。今回は“citizen of Nature - 自然の中で自分を取り戻す”というこれまでのブルガリとは違う新たなコンセプトになっています。
栄口さんが勤務するラトリエ デ パルファム
ブルガリやミュウミュウなどのファッションフレグランスを取り扱うフレグランスカウンター。お客様自身のライフスタイルやファッション、お好みに合わせたフレグランスをシーン別に提案してもらえるフレグランスコンサルテーションも行い、優美で心地の良い雰囲気で香り選びを楽しむことができる。
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 1階
問い合わせ先/ブルーベル・ジャパン 0120-005-130(受付時間10:00〜16:00)