【ゲラン】大切な人へ贈る“スズランの日”を祝福する香りが今年も登場

2023.04.06

: Scentpedia編集部

フランスでは5月1日は「スズランの日」として、日頃の感謝や想いを込めて愛する人やお世話になっている人にスズランを贈る習慣があり、スズランの花を贈られた人は、幸せになると言われている。
ゲランは毎年、この特別な日を祝福するために、アーティストとのコラボレーションによる芸術的なボトルを生み出してきた。今年は陶芸と刺繍、2つの芸術が出会い、可憐な「ミュゲ」が花咲いた。ミュゲ（オーデトワレ）価格は、90,000円 (税別) 春の訪れを告げる香り。

ゲラン 5代目調香師ティエリ― ワッサー

儚く、繊細なスズランはゲランの調香師たちにインスピレーションを与え続けてきた。
1908年、ゲラン3代目調香師、ジャック・ゲランによる「ミュゲ」が初めて登場。その後、1998年に4代目調香師、ジャン・ポール・ゲラン、2016年に5代目調香師ティエリー・ワッサーが「ミュゲ」の新しい香りを創作。
一見するとシンプルで爽やか、陽気なイメージのスズラン。しかし、その香りのエッセンスは抽出することができない、「無言の花」と言われてる。そのニュアンスを隅々まで理解し、新たな解釈を得るために、ティエリー・ワッサーは、香りのパレットから選び抜いた稀少な素材を組み合わせることで、フレッシュで優しく、幸福感に満ちた忘れがたい香りを描き出した。

グリーンノートからロージーなフローラルノートへ、色を変えるように香りが移り変わるフローラルグリーンの香調。トップはグリーンノートがフレッシュに香り立ち、春の陽気な雰囲気を描き出す。ハートノートではスズランが爽やかに、ローズがみずみずしく香り、フレッシュなフローラルが幸福感で包み込む。ラストはジャスミンと、上質なローズが優しく溶け合う。幸運をもたらすスズランの複雑で唯一無二の香り。それは、春のひと時を想わせるみずみずしく甘い香り。

陶芸と刺繍、2つの芸術が出会った芸術的ボトル

陶芸家カレン・スワミが創り出した繊細な陶器の花弁に、オートクチュール刺繍を手掛けるアトリエヴェルモンによる刺繍を施したチュール素材の葉を持つ大きなスズランは、まるで絵にかいたように完璧さと本物のようなリアリティを兼ね備えている。

カレン・スワミ

2023年の限定ボトルの陶磁器の装飾を創作したのは、起業家からセラミックアーティストに転身したカレン・スワミ。「思考が物事を創造する」と語る彼女の作品は、「触れる」「まわす」「滑らかにする」「刻む」「包む」など、《手》の能力と感覚を最大に生かし、作品の《呼吸》に耳を傾けて創られる。枠にとらわれず大きさや色で遊ぶ彼女の手により、大地の恵みである土は、芸術作品へと生まれ変わるのだ。

「ミュゲ」の純真さにインスパイアされた彼女が創り上げたのは、ボトルを覆うように拡大されたスズランの花。完璧な流線型を描く自然のフォルムを丁寧に再現したドームの上に、6枚の花弁を重ねる。理想の質感を叶えるため、あえてエナメル釉薬を施さない素焼きを採用。その一枚一枚に丹念に葉脈を刻み、繊細な縁取りを施している。それは、絵にかいたように理想的なスズラン。でもそこには本物のようなリアリティが存在。
今回、この作品の制作にあたり、カレン・スワミはフランス経済産業省の認定による「Living Heritage Company（無形文化遺産企業）」にも選ばれている、リモージュの磁器工房・アルキエと協力。完璧な形を創り上げるため、両者の間で数えきれないほどの試作を重ねた。アルキエで作られる5,000個の花のひとつひとつが、現代の創造性と伝統的なノウハウの結晶なのだ。

アトリエヴェルモン

カレン・スワミが創り出したスズランの花にふさわしい葉のしなやかさを表現するため、刺繍メゾンのアトリエヴェルモンにその創作を依頼した。ヴェルモンは、1956年の創業以来、パリの中心で、数々の名高いメゾンのオートクチュールやプレタポルテ、アクセサリーなどを手掛けてきた。近年は、家具刺繍も手掛け、インテリアデザイナーやデコレーターからも依頼される名門アトリエだ。
長い歴史を持つ刺繍という芸術を受け継ぐ職人たちにより、限りないクリエイティビティが生み出されている。優しいグリーンのチュールを、同系色の糸で縁取ったリボンを作り、そこに刺繍職人が手作業で、葉の一枚一枚に露の真珠のように輝くスズランの小枝を刺繍している。数時間に及ぶ丁寧な作業を経て、この素晴らしく詩的なオートクチュールリボンが完成。

エクセプショナルピースのボトルと、20mLのプレフィルドパーススプレーは、ミツバチのエンボスをあしらった特別なギフトボックスにセットされて登場。